週末から週明けにかけて、台風18号が日本列島を縦断しました。
東京は、日曜日から続く雨と午前中の強風程度ど済みましたが、
各地では死者・行方不明者が出ているとのこと。
あらためて、自然災害の恐ろしさを感じました。
さて、日曜日の晩に月曜日は午前中に大雨ということでしたので、
ラバーソールの靴を準備して、防水スプレーを掛けました。
普段はあまり防水スプレーを使わない私ですが、大雨の予報がある場合は別です。
やはりクリームよりは、強力な撥水性能があるからです。
2013年12月9日の「革靴のメンテナンス」という記事で、防水スプレーのことに
触れていましたが、勘違いから誤情報を記載していましたので、
ここで訂正させて戴きます。
この記事の中で、フッ素系の防水スプレーは革の表面に膜を張って撥水すると
書きましたが、この効能はシリコン系の防水スプレーのものでした。
フッ素系の防水スプレーは、革の繊維をコーティングして撥水性を持たせる、という
のが正しい内容でした。
両者の違いは、革の通気性を損なうか損なわないか、です。
繊維をコーティングするということは、革の繊維と繊維の隙間を埋めないので、
革が本来もつ通気性が保たれたまま、水を弾くことができるのです。
これはけっこう重要なことでして、
通気しないということは靴内の空気(湿気)が逃げない=蒸れるということですから、
外からの水を弾くけど靴内部が蒸れますので、ゴム長と同じになります。
ゴム長と革靴は並んで蒸れる靴の代表とされますが、革靴好きとしては、
ちと不本意です。
実は、革靴本来の製法で作られた革底の革靴は蒸れません。
もちろん、メッシュを多用した通気性バツグンのスニーカーに比べれば蒸れは
しますが、アッパーもソールも本革製の革靴であれば、仕事で1日履き続けたと
しても、不快になるようなことはありません。
多くの人が革靴は蒸れるというのは、合成皮革プラス合成底もしくは、本革プラス合成底のビジネスシューズを履いているからです。
合成底とは、ゴムやPVC、PUなどで作られた底のことです。
合成皮革製の靴は当然蒸れます。
本革なのに蒸れるぞ、という人はライニングが合皮ではないでしょうか。
表が本革でもライニングが合皮だと通気性はありませんから蒸れるのです。
底が合成底の場合、底からの通気性が失われるので蒸れやすくはなりますが、
それでもアッパーが表も裏も本革なら、合皮を使用した靴と比べたらアッパーから
通気する分、ずいぶん良いはずです。
防水スプレーを使う場合は、革の通気性を損なわないものを選びましょう。
せっかく通気性のある本革の靴を履いても、防水スプレーで目を詰まらせては、
意味がありません。
フッ素系の防水スプレーが手元にないなら、出掛ける前に乳化性クリームで手入れしておくと、防水性は落ちますが、すぐに水が浸みてくるようなことはありません。
あとは、油性ワックスを靴全体に薄っすら塗って磨いておけば、かなりの防水効果を発揮します。
ワックスを靴全体に塗ってはひび割れるのでは?という心配は必要ありません。
ハイシャインになるくらい厚塗りにすればヒビ割れもしますが、1~2回塗った程度
ではヒビ割れる事はありません。