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Channel: SUIT TIME
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たかが靴下、されど靴下

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みなさんは、どんな靴下を履いていますか?

値段では、ありません。
もちろん、値段もある程度高いほうが質の良い靴下を履けますが、それよりも重要なのは、色と長さです。


スーツに合わせる靴下の色は、黒・紺・濃灰です。それも無地のものに限ります。
織による柄は問題ありません。

靴下の色は、スーツの色に合わせるのがセオリーです。
ライトグレーのスーツには、ライトグレーの靴下を合わせても構いませんが、同系統の濃灰の靴下を履けばスーツと靴とのグラデーションとなるので、わざわざライトグレーの靴下を買う必要はありません。
NG色は白。しかも綿のソックス。マナー違反以前に、美的センスを疑ってしまいます。

白や柄物、ブランドロゴの刺繍がワインポイントで入っているの靴下は、ゴルフソックスが源流なので、カジュアルな位置づけとなります。

そして、日本人に一番馴染みが薄いことですが、靴下の長さです。
スーツスタイルの靴下の長さは膝下、ホーズが正式な靴下です。
ハイソックス(和製英語)、ロングホーズとも云いますが、正しくはホーズです。
「ソックス」は『短い靴下』という意味なので、ハイソックスというのはおかしな表現になります。
また「ホーズ」で『長い靴下』という意味なので、ロングは余計です。

スーツスタイルにおいては、白い靴下と足を組んだときに見えるスネ毛は、禁忌とされています。
日本人は、ダブルで禁忌を犯している人が多いです。
40歳以上のお父さんは、ゴムが緩んだ綿の白いゴルフソックスを穿いています。
おそらく、3足980円のソックスを買い与えられているのでしょう。
お小遣いが少ないのは、お互い様ですが、毎日飲みに行くお金やタバコを買うお金があるなら、その量を2/3に減らして、浮いたお金で靴下くらいキチンとしたものを自分で選んで履きましょう。

20~30代の若者は、白いアンクルソックスを穿いています。
イギリスやイタリアなら、帰って穿き替えてこいと云われても仕方ありません。
革靴に裸足やアンクルソックスが認められるのは、リゾートスタイルくらいなものです。
モード系ファッションで、アンクルソックスを合わせているコーディネートもあります。
それを気取っているならまだしも、目を上げるとスーツはバリバリのビジネススタイルだったりします。
竜頭蛇尾の良い凡例です。

最後になりますが、ホーズの素材はウールが最適と云われています。
綿は優れた素材ですが、素材自体が水分を吸ってしまい、乾き難いので、革靴の中が蒸れる原因となります。
ウールも汗を吸いますが、ウール自体は水を吸わないので、一旦含んだ水分はすべて革靴に移行します。
優れた革靴はアッパーもソールも吸った水分を外に放出するので、蒸れ難いという訳です。

ウールというと、暑苦しい雰囲気がありますが、実は化繊以上に優れた透湿素材なのです。

スーツスタイルの靴下は、黒・紺・濃灰のホーズ。
これ以外はない、と心得ましょう。

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