2014年7月3日の記事で、ビジネススーツ用のシャツ(ドレスシャツ)は、長袖に限ると言いました。
クールビズでノージャケ・ノータイであってもシャツは長袖が望ましいです。
理由は前に述べたとおりです。
本来、シャツのみのスタイルは、ビジネスシーンでは忌避すべき装いですが、
今回は、日本の気候の実情に合わせて、魅せる(見栄えのする)シャツスタイルについて考えて
みたいと思います。
シャツについては、2013年10月22日の記事でも触れましたが、
このときはスーツスタイルにおけるシャツでした。
今回はアウターとしてのシャツになるので、若干カジュアル寄りのアイテムも許容範囲となります。
そんな都合のよいことを、と思われるかもしれませんが、
男の身体は女性と違って、立体感に乏しいため、シャツ1枚だけだとメリハリがなくなります。
また、下着然としたシャツでは、どんなに高級素材のシャツでも、ダサいのです。
平面的な男の上半身にメリハリをつけるには、カジュアルのアイディアやデザインを取り込まなくては、
成り立たないのです。
要はクラシックとカジュアルのバランスです。
最初に一番良くない例をご紹介します。
それは、上述のとおりジャケット・ネクタイ着用が前提のシャツをノータイ・ノージャケで着る事です。
いわゆるドレスシャツ、西日本のお父さん達が好きなカッターシャツです。
これ1枚を無造作に着ているだけだと、どう見ても就業中に息抜きにタバコを吸いに出てきた風にしか
見えません。
ノータイなので、襟元はだらしなく広がるし、丸首のTシャツならチラチラ見えます。
生地が夏用の薄手だとアンダーシャツが透けて丸見えだし、アンダーシャツを着ない場合、
乳首が透けてしまいます。
まさかそんな人いないでしょ?と思われるでしょうが、40代以上のお父さんには結構多いのです。
『乳首の助』は論外、『肌着の介』も若い女子社員からはかなりひんしゅくを買っています。
このスタイルでの通勤や勤務は絶対にやめましょう。
逆にいえば、これらをクリアすれば、シャツスタイルでもそこそこみせることはできます。
お金をかける必要はありません。
まず、アンダーシャツ(肌着)を肌の色に近い肌着(ベージュやアイボリー)にします。
すると、肌と肌着の境目が見えずらくなるので、肌着の透けが目立たなくなります。
肌着だけになるとダサいですが、そのようなときには部屋を暗くすれば良いので大丈夫です。
肌着を着ない人は、シャツの生地の厚みを気をつけて、肌が透けないようにすれば乳首の透けも
クリアできます。
衿元がだらしなく広がるのを防ぐには、ボタンタウンカラーのシャツが良いでしょう。
スナップダウンカラーでも構いません。
カラーとはcollar、衿のことです。色(collor)ではありません。
ボタンダウンは機能性優先のデザイン、つまりカジュアルなので、クラシックなスーツスタイルには
エレガントではない、と敬遠されます。
スナップダウンは、衿の下にスナップが隠れてボタンダウンダウンよりはドレッシーになりますので、
スーツに合わせることも可能です。
要はスーツのVゾーンに余計な装飾が入るのはよろしくないのです。
また、ボタンダウンでアイデンティティを表現できるのはこれを発明し、発展させたアメリカ人だけ、
という暗黙のルールもあります。
話を戻しますが、
シャツスタイルはVゾーンがなく、ネクタイもないので、スーツスタイルのような立体感に乏しくなります。
その立体感を補うのに、ボタンダウンのボタンや衿の膨らみ(たわみ)は平たい男の胸に立体感を与え
てくれるという訳です。
ボタンで衿先を留めることで衿が立つので、胸元の開きもちょうど良い具合になるのです。
シャツスタイルを格好良く見せる他の方法は、カラーシャツや柄シャツです。
濃い原色のシャツは論外ですが、
パステル系のブルー、ピンク、パープル程度なら、アクセントになって良いと思います。
柄はストライプやチェックなど、伝統的な柄で、色数が少ないほうがエレガントです。
遠目には淡色のシャツに見える程度がお洒落です。
ここ数年の流行でステッチやボタンに配色でアクセントをつけているシャツがありますが、
これらのデザインは、ドレスシャツとしてはやりすぎで、カジュアル要素が強くなります。
着てはいけないわけではありませんが、ビジネスシーンで着るには少々子供っぽいデザインなので、
良い歳をした大人がオンビジネス着るには、不向きです。
30歳オーバーがオンビジネスで着るのが許容できるのは、カラーボタンまででしょうか。
以上、クールビズ向け大人のシャツスタイルを簡単に纏めると、
・長袖
・色は、ホワイト、サックスの他にパステル系のカラーシャツ
・柄は、ストライプやチェック、織柄のヘリンボーンやシャドーストライプ
・衿はボタンダウン、スナップダウン、イタリアンなど立体的かつ胸元が広がらないデザイン
・ステッチは生地と共色
・ボタンは生地と共色か白
ということになります。
ただ、これにスーツのスラックスを合わせたりすると、一気にダサくなりますので、注意しましょう。
クールビズのシャツスタイルには、スラックスは単体のスラックスを合わせるのがセオリーです。