第一段階:自転車の交通法規・マナーの徹底と厳罰化
自転車のもてるポテンシャルを遺憾なく発揮するためには、都市部の道路インフラを
自転車向きに改造する必要があります。
そのためには、現在の自動車の台数を減らして、自動車偏重のインフラを改めなくては
いけません。
しかし、それを求めるなら自転車側も変わらなければいけません。
日本の自転車に関する道路交通法は、数年前に比べると罰則規定の適用が厳しくなり
はしましたが、まだまだ周知徹底は為されていません。
歩道走行や右側走行をする車は稀ですが、歩道走行や右側走行する自転車は残念な
がら、沢山います。
自転車で走行中、右側走行してくる対向自転車に「左を走れ」と注意しても、
「何言ってんだ、コイツ」というような顔で見られます。
先進国を名乗る外国で自転車が決められた走行帯を走っていたり、無灯火だったりすると、
警察官に呼び止められる前に通行人から注意をされまくるそうです。
うっかり無灯火で走っていると多くの通行人から「Light up!」という声が掛かり、
点灯するか自転車をおりまで声が掛かるそうです。
日本では右側走行も夜間無灯火も罰則規定ありのれっきとした違反行為です。
現在の道路情勢を鑑みて、例外的に歩道走行だけは認められていますが、これも一定
条件を満たしていなければ、認められてはいません。
しかし、免許制度のない自転車は乗る側も取り締まる側も違反に甘く、車ほどの取締が
実施されてはいません。
自転車がルールとマナーを守って気持ちよく走るには道路環境の整備が必要不可欠で
あり、先進国を名乗るなら国や地方の行政が真っ先に取り組まなければいけない事案なの
ですが、極端な車社会になっている日本において、お上は自分たちの利権に絡まない事案に
関して積極的に動きません。
現場が声を大にして訴えなければならないのですが、自転車に乗る側のマナーが最悪な
ので、胸を張っては言うのは憚られます。
自転車のマナーが悪い原因はインフラの不整備にあることは間違いありませんが、
だからといって、ルールやマナーを守らなくて良いということにはなりません。
現在の道路状況であっても、決められたルールやマナーを守って走る事は不可能では
ありません。
自転車が変われば自転車に対する見方も変わり、声も上に通るようになります。
東京オリンピックに向けて、様々な課題がある日本(特に東京都)ですが、自転車が歩道を
走っている現況を来日する外国人が目の当たりにしたら、日本の評価は大きく変わると
思います(もちろん悪いほうに)。
いま、これを見ている人が、今日から歩道走行と右側走行と夜間無灯火と片手運転を
やめてくれたら、自転車が絡む事故が減ることは間違いありません。